プログラミング経験が一ミリもない僕が人工知能を使ってパソコンに恋愛ポエムを書かせた話

 

 

 プログラミングを本当に一ミリもやったことがなく、数学が壊滅的に苦手な僕がかつてからの夢だった人工知能を使ってパソコンに恋愛ポエムを書かせることに成功した。

 

 そもそもは去年の闇の浪人生活の合間、勉強があまりにも嫌すぎて予備校のパーテーションで仕切られた自習机でツイッターを見ていたことに遡る。完全な現実逃避に勤しんでいた僕はツイッター上で恋愛ポエムがものすごいリツイートといいねをもらっていたのをみて、微分積分そっちのけで天啓を受けたのである。「これからの時代ネットでうけるのは恋愛ポエムにちがいない。」完璧に理論化学と漢文にやられていた頭のなかをこのアイデアシナプスを駆け巡り己のアイデアに脳内でエンドルフィンがドバドバに出ていたのだが当時それでも闇の浪人生(ずっと独り言を喋り、10ヶ月髪を切っていない)だった僕にはあいにく時間がなく、エバーノートの浪人が終わったらやることリストの中に「シンカリオンを見る」の次に書き込まれたのである。

 

それから浪人生活も終わり、しっかり髪を切ってシンカリオンも見終わった僕は恋愛ポエムを作るべくパソコンの前に座り、wordと格闘するのだがいかんせん恋愛に見放されポエムの良さを理解できないほどに才能のない僕には到底至難の技だった。たいていのことはグーグルで検索すると解決する世界に生きているデジタル・ネイティブの僕は早速グーグルで自分で恋愛ポエムを書かずに無限に恋愛ポエムが湧き出てくる術を調べて見たが出てくるのは「マルコフ連鎖」、「python」、「プログラミング」の文字。ほとんど九割方何を書いてあるのかわからなかったもののとりあえずpythonというものを使ってパソコンに恋愛ポエムを書かせることができるようになるらしいということを理解した。それも無限に。一応は理系の学部に進学したものの数学が二次試験に無いと言う理由で農学部に入った僕にはプログラミングは遥かに遠い存在で、始める前から脊髄からの拒否反応で眼の前が真っ暗になりそうなのをこらえて、大学の図書館でゼロから始めるはじめてのpythonといった風の本を借りてみることにした。

 

そもそものpythonのインストールに諦めそうになりつつも本の通りにプログラミングをすすめ、一週間ほどウンウンうなりながらpythonで文字数をカウントできるようになった頃にやっと気がついたのが「これは一生かかるぞ」ということだった。なんとなくプログラミングの才能が無いことには気がついてはいたのだがそもそも楽しくない。黒い背景に白い小さな文字で「hello world」と表示させても一ミリも感動できず、人工知能のじの文字すら出てこないことに道のりの果てしなさを感じてしまったのである。

 

それでも恋愛ポエムを無限に生成したいという夢を諦めきれなかった僕が図書館で見つけた本が「自分で動かす人工知能」だった。この本のなかにはマルコフ連鎖を使ってパソコンに文章を書かせる章がふくまれていてしかもあの忌々しい「hello world」から始めるのではなくいきなり人工知能から初めてくれる。プログラミングの本ではあるものの理屈など全てぶっ飛ばして本に書いてある文字をパソコンに打ち込めばいいヌルゲー仕様で表紙に大きな文字で書かれている「知識ゼロでも全部できる」の文字に偽りなく全部できてしまう始末(理解はしてない)。

 

本に書かれてあるままいろいろ(何かはわからない)文字を打ち込んだり何か(何かはわからない)をインストールしたりしているうちにいつの間にかマルコフ連鎖を使って文章をパソコンに書かせることができるようになっていた。感動である。今回は「hello world」も「2+3」もない。仕組みは一ミリもわからないが文章が無限に生成できるようになっているのである。このテキストではまず青空文庫を読ませて文豪風の文章を書いたので以下に僕が初めてパソコンに書かせた「走れメロス」風の文章を載せる。

 

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virtual boxからのコピペの方法がわからない程に無知だったのでパソコンの画面を携帯で撮った

 

 

どうだろうか。それっぽさがすごいだろう。これにはhello worldに感動できなかった僕でも小躍りした。

これを応用してインターネットから拾ってきた三百ほどの恋愛ポエムを読ませてパソコンに恋愛ポエムを無限に書かせることができるようになった。以下に恋愛ポエムを載せる。(virtualboxからのコピペができるようになった)

 

交わしてくれたから。ダメだと思わないで。すぐ隣にはいられない。受け止めてくれる?私一人の尊さを感じることのほうがもっと知りたくて。君の心の内が私の綺麗な場所にいても正直な心。

 

会いたいな。気づいてほしい。憧れと錯覚してるのはそう、君にぶつかる勇気があるんだから好きになっていい?数えきれないくらいの質問があるならば、いつだって飛んで行く覚悟はできないけれど、君と出会って、どこかに置いてけぼり。聞き分けようと思ってしまうんだ。

 

 

これで無限に恋愛ポエムと走れメロス風の文章を生成できるようになったので必要になったら言ってください。